キチンとキトサンの違いはなにか?
キトサンの原料となっているキチンですが、キチンそのものも様々な分野で利用されている物質です。
とはいえ、キチンそのものではあまり大きな効果はありません。
免疫強化、高脂血症の改善などに効果があるといわれていますが、十分な検証はなされていないようです。
キチンはN-アセチルグルコサミンとグルコサミンから成り、その比率は9:1といわれています。
N-アセチルグルコサミンを脱アセチル化したものがキトサン、酸加水分解したものがグルコサミンとなります。
上記以外にも、化学的または酵素的な分解過程を得て、他にもオリゴ糖などを生成することができます。
また、キチンとキトサンはそれぞれ分解するための酵素に違いがあることから、生物の体内でも別物と認識されているようです。
キチンは免疫強化、高脂血症の改善などへの効果が不明であることを上記で述べましたが、そこから生成されるグルコサミンはアメリカでは医薬品として認められるなど、また日本でも数多くのサプリメントが発売され、その効果が実証されています。
N-アセチルグルコサミンも、乾燥肌の改善効果、美肌効果、関節に対して効果があるといわれながらも十分なデータは存在しません。
N-アセチルグルコサミンをキトサンへと脱アセチル化して、はじめてたくさんの効果が得られるのです。
キチンキトサンと表記される理由は
別記事でも書きましたが、キチンからキトサンを生成しても、通常3割ほどのキチンが残ります。
キトサン原液のようにキチンの割合が低いものほど値段が高く、商品化されているもののほぼ全てが、0〜40%の範囲に収まります。
キチンは火傷を早くきれいに治す創傷被覆剤として商品化されているなど、人体へ悪影響を及ぼすような作用を持っているわけではないので、通常利用の範囲では気にする必要はありません。
もちろん、キトサンとしての効果は、原液のような純度の高いものほど大きいことはいうまでもなく、値段に見合っているといえます。
キチンキトサンと表記されていない場合でもキチンを含むことはありますが、あまり神経質にならず、自分のお財布事情と相談しながら商品を選びましょう。