キトサンの抗菌作用とは?
キトサンは抗菌グッズにも多く利用されています。
キトサンによって表面加工されたものや、その防腐・防カビ効果を利用して食料保存のために使われたりと用途は様々です。
ではキトサンの抗菌作用とはいったいどのようなものなのでしょうか?
単純にいってしまえば、キトサンが血圧を下げたり脂肪吸収を阻害するメカニズムと同じです。
キトサンが持つプラスの電荷が、マイナス電荷を持つものを引き寄せる。
菌などの微生物のほとんどはマイナスに荷電していますから、この性質によってキトサンに捕まってしまうわけです。
このキトサンの抗菌作用は、科学的な殺菌作用とはまったく異なるもので、菌を捕まえて動けなくしているだけです。
そのため刺激等が少なく、また効率よく菌を排出することができるのです。
※SIAA(抗菌製品技術協議会)による抗菌の定義:長期に渡って菌を増やさない様にすることを抗菌と言います。 細菌を一時的に死滅・除去する殺菌・除菌とは区別されます。
キトサンはどのような菌に有効なのか?
キトサンによる抗菌作用は、大腸菌、緑膿菌、枯草菌、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌などの細菌類に有効だという報告があります。
黄色ブドウ球菌や大腸菌は体内に入ると化膿や食中毒を引き起こす厄介な菌です。
またメチシリン耐性黄色ブドウ球菌は院内感染の原因菌です。
もちろん人間への菌だけでなく、植物病害菌にも抗菌性が確認されています。
たとえば低温でしょうゆやみそを醸造すると、一般的な製法によって作った製品よりも保存性が低くなります。
しかしこれにキトサンを加えると、カビを防ぐことができます。
野菜の浅漬けにキトサンを加えることで、雑菌の繁殖を抑えて腐敗が防げることもわかっています。
キトサン入りの有機肥料を土に混ぜることで土壌改良ができる、野菜の種子にキトサンの皮膜処理をすることで発芽が早まる、植物の葉にキトサン溶液を散布することで生長が早まるといった効果もあります。