キトサン

キトサンとはどんな成分?

キトサンは、かにの殻を主原料にしてつくられる動物性の食物繊維です。

 

※キチン・キトサンと書かれることも多いのですが、当サイトではキトサンとして統一表記します。

 

古来より、かに殻は多くの場面で利用されてきました。
日本の民間療法において、うるしにかぶれたらサワガニをすり潰して塗ったり、腹痛には干したかに殻を煎じて飲ませたりといった方法もとられてきました。

 

中国でも、明時代の漢方書『本草綱目』に、かにの殻を軟膏のようにしてできものに塗って治す方法が記されています。

 

かにだけでなく、えび、しゃこ、おきあみなどの甲殻類の殻、昆虫の外皮、きのこの細胞壁などにも含まれているキチン質と呼ばれる成分が、キトサンのもとになる原料です。

 

キチン質は不溶性のため、脱アセチル化という加工をほどこしてキトサンに変化させ、利用しやすくしています。
この加工の際に、キチンが少し(16%ほど)残るため、キチン・キトサンと表記されることがあるのです。

 

また、キチンやキトサンを加水分解したものをグルコサミンといいます。
グルコサミンは非常に有名な成分ですね。

 

キチンを塩酸分解したものはN−アセチルグルコサミンと呼ばれます。

キトサンが注目されるのは何故か?

キトサンが注目される理由は、かにの殻のように原料の入手のしやすさもありますが、その利用範囲の広さでしょう。

 

健康食品としては特定保健用食品(トクホ)に認められているほか、食品添加物や医療、工業分野など様々に利用されています。

 

身体への作用については、キトサンの効果の項目で詳細を述べますが、それ以外の応用例としては以下のようなものが挙げられます。

 

  • 防カビ・防腐効果
  • 土壌改良
  • 人工皮膚などの再生医療
  • 化粧品
  • 抗菌
  • クロマト分離剤
  • イオン交換体
  • 微生物や酵素の固定化担体
  • 重金属含有担体
  • 放射性物質を含む重金属吸着剤
  • ポリマーブレンドやハイブリッド材料

 

などなど、その用途は尽きず、人工血管や人工臓器など、人体に安全な医療用素材の原料として開発が進んでいます。

 

また、原料であるかに殻からキチン、キトサンへと加工される段階で、脱タンパク脱アセチル化処理がおこなわれるため、アレルゲンも分解されます。

 

そのためアレルギーの心配もありません。

 

原料としてかにを使っているため、法律上「かに由来」の表示が義務付けられていますが、かにアレルギーがある方でも、キトサン入りのサプリメントをとることはできます。

※ただし天然成分には個人の体質に対して向き・不向きはありますので、使用して異常が出た場合や、合わないと思った場合は無理に使い続けないほうがいいでしょう。

 

いずれにしろ、医療分野で幅広く認められる安全性、トクホにも認められる安心感はほかの成分にはなかなかない特徴です。

 

キトサン及びそこから作られるグルコサミンが気になっている方も多いと思いますが、可能な限り多くの情報を追加していきますので、ぜひ当サイトを参考にして下さい。